いわゆる中耳炎です。
- 生後6ヶ月から6歳くらいの小児に、風邪の後、多く発症します。
- 耳の痛み、耳だれ、発熱などの症状です。痛みが強いときは熱の座薬を使います。強い痛みは、15分から20分程度で軽くなります。
- 抗生物質の内服で治療します。
- 痛みは1,2日で軽快しますが、治るまではかなり日数がかかりますので、その間薬を飲む必要があります(途中で止めてしまうと慢性化したり、滲出性中耳炎などになり、難聴を残すことがあります)。
原因
中耳(鼓膜の奥の部屋)に細菌が感染して起こります。風邪などで鼻、のどに炎症があると鼻の奥の耳管から細菌が中耳へ入り中耳炎を起こします。
耳管は、小児では成人に比べて、太く、短く、角度が水平に近いという特徴があり、小児に中耳炎が多い原因の一つと考えられています。
症状
①耳痛②耳だれ③発熱④難聴・耳鳴(耳鳴り)・耳閉感(耳のつまった感じ)⑤悪化すると耳後部腫脹・圧痛(手術が必要、現在は殆ど見られない)など
- これらの症状は耳漏がでると軽快する事が多いです。
- 痛みを訴えない乳児の場合は、発熱だけが症状のこともあります
- 強い痛みは、15〜20分程度で治まるの様子を見て大丈夫です
検査
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- 耳鏡検査
- 鼓膜の発赤、腫脹、穿孔、耳漏などの所見を認めます。
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- 細菌検査
- 耳だれがある場合は、膿を検査に出し、どういうばい菌が付いていて、どの抗生物質が効きやすいか検査をします。
治療
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- 耳処置
- 耳漏があれば吸引後、外耳道内のきれいにして、消毒します。
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- 鼓膜切開
- 耳痛、発熱などの症状が強いとき、なかなか軽快しない時は、鼓膜に小さな穴をあけて膿を出します。(穴は中耳炎が治ればすぐに塞がりますので心配ありません。)
- 抗生剤、鎮痛剤を内服していただきます。
- 合併する風邪などに対する治療をします。
- 夜間などに突然耳の痛みが出た場合は、解熱の座薬を使うと大抵痛みは軽快します。翌日は、痛みが消えていることも多いですが、耳鼻咽喉科を受診しておくことをお勧めいたします。
- 中耳炎の痛みは、1,2日で軽快しますが、炎症は7~14日あるいはそれ以上持続します。耳の聞こえにくい感じ、耳が塞がった感じなどの症状があるはずですが、子供の場合は訴えることはあまりありません。痛みが無いからといって途中で治療を中止すると、滲出性中耳炎など慢性化することがあるので鼓膜の赤みがとれるまで治療を続けることが大切です。