突発性難聴
ある日突然に片側の耳の高度の難聴、耳鳴を来す疾患です。1~2週間以内に治療を始めないと治らないことが多いようです。
ステロイドの点滴、内服などが治療の中心となります。入院加療が必要なこともあります。
難聴の程度は様々です。治療の効果も、元の聞こえに戻るものから全くよくならないものまで様々です。
原因
病因は現在の所不明ですが、以下のようなことが推測されています。
- 内耳感染
- 内耳血液循環障害
- 内耳窓破裂
- 代謝障害 など。
症状
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- 難聴
- 突然おこります。目覚めたら難聴になっていた、仕事中になったなど発生したときがはっきりわかる場合が殆どです。難聴の程度は、軽いものから、全く聞こえなくなるものまで様々です。
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- 耳鳴
- 難聴の発生と前後して伴う場合が殆どです。
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- めまい
- 難聴の発生と前後しておこることがあります。めまいに伴い、吐き気や吐いたりすることもあります。
治療
早期に治療を開始するほど聴力の改善が良いようです。遅くとも難聴発症後2週間以内に開始することが望ましいです。
1ヶ月以上たったものは、改善することは殆どありません。
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- 安静
- 特に発症初期は、聴力予後を左右する大切な時期であり肉体的・精神的安静と同時に耳の安静が重要であると言われています。
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- 薬物治療
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- 副腎皮質ホルモン剤(ステロイド剤)
- 抗浮腫作用、抗炎症作用、内耳血流量の増加、抗アレルギー作用などの効果を期待して最も治療に使用されます。しかし、胃潰瘍、糖尿病、感染症の誘発、座瘡(にきび)など副作用がおこる可能性があります。通常、短期間の使用では副作用の発現少ないようです。
- 血管拡張剤、血流改善剤
- ビタミン剤
- 代謝賦活剤(脳内酸素消費増加、ブドウ糖取り込みの増加など)
- 血栓溶解剤 など。
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予後、特徴など
- 通常1回しかかからない。反対側におこることは極めて稀と言われています
- 低音障害型は治りやすく、高音障害型は治りにくい、めまいを伴うものは治りにくい、高齢者、合併症(糖尿病など)のある人は治りにくいなどと言われています
- 聴力の改善するものは、治療開始後1~2週間程度治ってきます。従ってそれ以後改善することは極めて稀で1ヶ月を過ぎると聴力はほぼ固定した状態となります
- 自然治癒もあると言われています
- メニエール病、聴神経腫瘍などが突発性難聴様症状で発症することもあり、初めのうちは鑑別が出来ないことがあります
- 最近、低音部のみの軽度の難聴で発症するものが増えております。比較的治りやすいですが、メニエル病との関連が言われており、繰り返したり、めまいを起こしてくるものがあります